ここではMemory Card Utilityの操作方法についてを説明します。なお、マニュアルはVersion 0.64.1を元に作成しました。
操作は、方向ボタンでメニューを選択し、Aボタンで決定します。Bボタンは操作をキャンセルし前のメニューに戻ります。メニューによっては、ボタンが異なる場合や他のボタンを使う場合があります。この場合は、そのメニューごとにボタンの機能を解説していきます。
Memory Card Utilityを起動すると次の画面が表示されます。これを「メインメニュー」と呼びます。
グレーで表示されているメニューは、機能が実装されていないため選べません。
このメニューを選ぶと、メモリ選択メニューが表示されます。
ビジュアルメモリにファイルを転送する場合や、保存されているファイルを操作する場合など、通常このメニューを選びます。
ビジュアルメモリの内蔵時計を、Dev.Boxの内蔵時計に合わせます。
このメニューを選択すると、システムコンフィグレーションメニューが表示されます。MEMORY CARD TIMEを選ぶと、確認メッセージが表示され、接続されているすべてのビジュアルメモリの時計をDev.Boxの時計に合わせます。
![]() システムコンフィグレーションメニューでは、MEMORY CARD TIMEのみ選べます。 |
メインメニューからBACKUP UTILITYを選ぶと、このメニューが表示されます。
![]() ビジュアルメモリの脱着は、この画面まで可能です。 なお、脱着の際はビジュアルメモリの動作モードをゲームモード以外にしてください。ゲームモードの状態で接続すると、接続状態が正しく認識されません。 |
ここでは、これらから操作を行うメモリを選択します。
画面には、現在接続されているメモリがすべて表示されます。A,B,C,Dは、コントローラのポートを表しています。上段と下段は、1つのコントローラに複数のメモリが接続されている場合に表示されます。
なお、ビジュアルメモリの場合、LCDに画面と対応する番号が表示されます。
目的のメモリを選択してAボタンを押すと、コマンド選択画面になります。
データ保存領域のうち、すでに利用済みのブロック数が表示されます。
データ保存領域の空き領域がブロック数で表示されます。
ビジュアルメモリ用アプリケーション領域の使用状況を表しています。
《使用中のブロック数》/《アプリケーションが利用可能な最大ブロック数》の形式で表示されています。
たとえば“128/128”と表示されている場合は、すでにアプリケーションが書き込まれていることを示します。“0/128”と表示されている場合は、アプリケーションが書き込まれていないビジュアルメモリであることが分ります。
このメニューでは、ビジュアルメモリにデータを転送したり、書き込まれているファイルを操作します。
画面右側は、ビジュアルメモリに書き込まれているファイル一覧です。1画面に表示しきれない場合は、ファイル一覧をアクティブに(▲マークをファイル一覧に移動)して、右方向ボタンを押すと続きが表示されます。
このメニューを選ぶと、次の画面が表示されます。
ここには、ビジュアルメモリの容量に関する情報、ボディーカラーの情報、ボリュームアイコンの情報、初期化された日時の情報が表示されます。
このメニューでは、PCからDev.Boxのバッファにアプリケーションやボリュームアイコン用のファイル、データファイルを転送できます。RECV DATAを選ぶと次の画面が表示されます。
ここでは、PCから受信するファイルの種類を指定します。ビジュアルメモリ用のアプリケーションを受信するにはGAME BUFFERを、ボリュームアイコン用のデータを受信する場合はICON BUFFERを選びます。また、データファイルを受信する場合はNORMAL BUFFERを選びます。
![]() PCからビジュアルメモリへのデータ転送については「3.4 PCからビジュアルメモリへのファイル転送」を参照してください。 |
このメニューでは、あらかじめDev.Boxのバッファ受信したデータを、ビジュアルメモリに書き込みます。SAVE DATAを選ぶと次の画面が表示されます。
ここでは、どのファイル(バッファのデータ)をビジュアルメモリに書き込むかを指定します。
![]() すでにアプリケーションが書き込まれているビジュアルメモリの場合、GAME BUFFERが選べません。あらかじめ、アプリケーションのファイルを削除してください。 |
ビジュアルメモリ用のアプリケーションを書き込む場合はGAME BUFFERを、ボリュームアイコン用のデータを書き込む場合はICON BUFFERを選びます。また、データファイルを書き込む場合はNORMAL BUFFERを選びます。
![]() PCからビジュアルメモリへのデータ転送については「3.4 PCからビジュアルメモリへのファイル転送」を参照してください。 |
このメニューでは、現在選択しているビジュアルメモリの内容を、別のビジュアルメモリにそっくりコピーします。Windowsの[ディスクのコピー]や、MS-DOSのDISKCOPY相当の機能です。
メニューを選ぶと次の画面が表示されます。
転送先のビジュアルメモリを選択すると、確認メッセージが表示されます。
![]() DUPLICATEでは、フラッシュメモリの内容をそっくりそのままコピーします。転送先のビジュアルメモリに保存されていたデータは、すべて消去されますので注意してください。 |
OKを選ぶとメモリの内容がそのままコピーされます。
このメニューを選ぶと、ファイルの保存や削除を繰り返し行った場合におこるフラグメント(断片化)を解消します。
![]() すでにアプリケーションが書き込まれているビジュアルメモリでは、このメニューは選べません。 |
ビジュアルメモリはファイルの管理にFAT方式を用いているため、サイズの異なるファイルを書き込み/消去しているうちに、データ保存領域が歯抜け状態に断片化されます。これを整理(ガベージコレクション)し、データをひとつの魂にまとめます。
![]() アプリケーションは、連続したメモリを確保する必要があるので、アプリケーションを転送する前にはDEFRAGを行ってください。 容量は十分あるにもかかわらずアプリケーションが保存できない場合は、断片化していると考えられます。断片化を解消し、連続した空き領域を作成してください。 |
DEFRAGを選ぶと確認メッセージの後、断片化の解消が行われます。
このメニューを選ぶと、次の画面が表示され選択しているビジュアルメモリを初期化できます。
ここでボディーカラーやラベルアイコンの指定、初期化した日時の設定などを設定します。設定後の確認メッセージでOKを選ぶと初期化が行われます。初期化するビジュアルメモリに書き込まれていたファイルはすべて削除されます。
![]() 初期化についての詳しい手順は「3.3 ビジュアルメモリの初期化」を参照してください。 |
このメニューを選ぶと、初期化されていないビジュアルメモリを作ることができます。ビジュアルメモリは、システムBIOSがFATなどの管理領域(フラッシュメモリのバンク1上位アドレス)をチェックし、初期化されているか否かを判断します。
初期化されていないフロッピーディスクには、何もデータを書き込めないのと同じで、初期化されていないビジュアルメモリには、データもアプリケーションも書き込めません。
![]() 販売されているビジュアルメモリは、すべて初期化済みの状態で出荷されています。ただし、出荷ロットによっては希に初期化されていないものがあります。 |
UNFORMATを選ぶと、次の画面が表示されます。
COMPLETEを実行すると、フラッシュメモリ全体に00Hを書き込み未初期化状態を作ります。QUICKを選ぶと管理領域だけを破壊します。
![]() Memory Card Utility Version 0.64.1では、QUICK機能は実装されておりませんので、選択できません。 どちらの場合もビジュアルメモリに保存してあったデータは削除されます。QUICKを選んだ場合でも、データのサルベージ(復活)手段はありません。 |
このメニューを実行させると、次の画面が表示されFATの整合性とデータのビット落ちなどをチェックします。WindowsのスキャンディスクやMS-DOSのCHKDSKに相当する機能です。
ただし、エラー修復機能はありません。
また、各ファイルのインフォメーションフォークのCRCをチェックし、ファイルにビット落ちがないかのチェックもあわせて行います。
![]() インフォメーションフォークのCRCを省略した場合は、このチェックでエラーと判断されますが、無視してかまいません。 |
チェックの結果は、通信ソフト側にも次のように表示されます。
ファイル一覧に▲マークを移動し、ファイルを選んでAボタンを押すとファイル操作メニューが表示されます。
また、ファイルを選んでXボタンを押すと複数のファイルを選択できます。複数ファイルを選んでいる状態でAボタンを押すと、選択されているファイルすべてに対して、メニューの操作が行われます。
Yボタンを押すと、すべてのファイルについて、選択状態のものは非選択状態に、非選択状態のものは選択状態になります。
COPYを選ぶと次の画面が表示され、選択されたファイルを別のビジュアルメモリにコピーします。
選択されたファイルを消去します。DELETEを選んだあとに確認メッセージが表示されます。
ファイル名を変更します。複数のファイルを選択している場合は選べません。
RENAMEを選ぶと次の画面が表示され、ファイル名の変更ができます。
![]() Memory Card Utilityはファイル名として“−”が利用できるように作成されていますが、利用しないようにしてください。 デバッグ用に“−”を利用するには問題ありませんが、製品には使用しないでください。ソフトウェア作成基準に反したアプリケーションになります。 |
←→はカーソルを移動します。OKを選ぶと入力したファイル名に変更されます。CANCELはBボタン相当です。RESETを選ぶと、入力中のファイル名を破棄して、元のファイル名を表示します。
このとき、RトリガーとLトリガーでカーソルを移動できます。またスタートボタンを押すと、OKを選んだことになります。
ATTRIBUTEを選ぶと次の画面が表示され、ファイルの属性(コピー禁止/許可)を変更します。
COPY FLAGをFFにすると、そのファイルはコピー禁止となります。コピー禁止ファイルは、Dreamcastのファイル管理画面でコピーができなくなります。これ以外の値(00〜EF)は、コピー可能ファイルです。FF以外の値は任意で利用できるので、何世代目のコピーなのかを知るプログラムを作ることができます。
![]() COPY FLAGが00〜FEのファイルをDreamcastのファイル管理画面でコピーした場合、コピー先のCOPY FLAGは00になるので注意してください。 |
HEADER OFFSETは変更できません。
選択したファイルをPCに転送することができます。
UPLOADを選ぶ前に、通信ソフトのファイル転送でXmodemでのダウンロードを実行してください。Xmodemであれば、CRCでも1024でもかまいません。また、ファイル名を入力する画面が表示されますので、適当なファイル名を付けてください。ここで付けるファイル名は、ビジュアルメモリとまったく同じである必要はありません。
UPLOADを選ぶと“NOW LOADING...”のメッセージが表示されたあと、PCへのファイル転送が始まります。
![]() UPLOADの中断はできません。中断するには、転送中のファイルを転送しきってください。 また複数のファイルが選択状態の場合は選べません。 |
INFOを選ぶと“NOW LOADING...”の表示の後、次の画面が表示されます。
この画面には、インフォメーションフォークの内容が表示されます。
ゲーム名(ソートキー)も対応する文字で表示されますので、入力後の確認に利用できます。
DUMPを選ぶと“NOW LOADING...”の表示の後、ファイルダンプ画面が表示されます。
インフォメーションフォークの部分については、色付き文字で表示されます。また、右側にはキャラクタダンプが表示されます。
![]() 複数ファイルが選択状態の場合は選べません。 キャラクタダンプでは、漢字の表示はできません。 |
ファイルダンプ画面では、次のボタンが利用できます。