1-2 ビジュアルメモリの機能 |
ビジュアルメモリがDreamcastに接続されているときは、Dreamcast専用インターフェイスにより、次の機能がDreamcastから制御できます。
![]() Dreamcastのコントロールポートには、標準コントローラやステアリングなどが接続できます。これらのうち、拡張デバイス用コネクタ を持つ周辺装置には、ビジュアルメモリなどの拡張デバイス が接続できます。これら周辺装置は、Dreamcastと通信するために「Mapleバス」 と呼ばれるDreamcast独自の規格で接続されます。 |
これらの制御は、ビジュアルメモリのROMに内蔵されているプログラムが行ないます。このROMに内蔵されたプログラムの総称は「システムBIOS」と呼びます。
このシステムBIOS は「システムプログラム」 「OSプログラム」 「ヘッダ」 で構成されています。システムプログラムは、ビジュアルメモリに保存したファイルのコピーや消去、時計表示、Dreamcastとの通信処理を行ないます。一方OSプログラムは、最も基本となるフラッシュメモリへのデータの読み書き、内蔵時計機能の制御、低電圧チェック機能を行ないます。また、OSプログラムのいくつかはアプリケーションから呼び出すことが可能です。
OSプログラムを呼び出す際には、フラッシュメモリのある領域に専用のプログラムを組み込む必要があり、このプログラムを「ヘッダ」と呼びます。
ビジュアルメモリに搭載されている、システムプログラムの機能は次のとおりです。
Dreamcastで保存したゲームデータや、ビジュアルメモリ用アプリケーションの実行ファイルを管理や操作する機能です。
ファイルは1ブロック(128バイト)単位で管理され、ブロック単位での読み込みまたは、書き込みが可能です。
これらの読み書きにともなう、FAT操作やファイル名などのファイル情報の管理は、すべてシステムプログラムが行ないます。
Dreamcast接続時は、グラフィック描画(画面イメージデータ転送)のみを行います。転送した画像イメージは、システムプログラムが受信しLCDに描画します。
単体動作時には、ビジュアルメモリのCPUから直接グラフィックの描画を行います。
LCDのドットマトリクス部分の画素数は、縦32ドット×横48ドットです。画像イメージのデータ量は、192バイトとなります。これに加えLCDには、ビジュアルメモリの動作モード を示す4種類アイコン があります。
アイコン | 動作モード | 機能 |
![]() | ファイルモード | ビジュアルメモリのファイルを管理する |
![]() | ゲームモード | フラッシュメモリ内のゲームを起動する |
![]() | 時計モード | 時計を表示する |
![]() | アクセス中 | フラッシュメモリにアクセス中 |
これらのアイコンは、ビジュアルメモリの動作モードを表すアイコンなので、アプリケーションから表示状態を変更してはなりません。
Dreamcastからビジュアルメモリに転送された、ビジュアルメモリ用アプリケーションを起動します。
なお、OSプログラムには、アプリケーションから利用できるいくつかのサブルーチンがあります。詳細は、本書の「システムBIOS編」を参照してください。
Dreamcast接続時は、Dreamcast専用インターフェイスを経由してDreamcastからビジュアルメモリを制御できるようにします。
単体動作時には、8ビットの同期シリアル通信ができ、他のビジュアルメモリとデータ交換が可能です。
ビジュアルメモリは、時計機能を搭載しています。時計機能は、Dreamcast接続中、アプリケーション実行中、スリープ状態でも動作しています。
アプリケーションは、OSプログラムを利用して日時を取得することが可能です。
ビジュアルメモリに内蔵の圧電ブザー は、パルスジェネレータ (PWM )に接続されており、発声する周波数を変更できます。発声できる周波数は、理論値で21Hz〜5.5KHz(推奨170Hz〜2.7KHz)まででPWMを制御することで調整できます。
Dreamcast接続中は、Dreamcastからブザーの制御が可能です。
単体動作中は、PWMを制御することで周波数を変更し、ブザーのON/OFFを制御できます。
Dreamcastへの接続状態とMODEボタン により、ビジュアルメモリの動作モードを切り換え ることができます。現在の動作モードは、LCDにアイコンで表示されます。
ゲームモード以外の単体動作時は、2分間ボタン操作がなかったり、通信が行われない状態が続いた場合、オートパワーオフ機能 が働き、自動的にスリープ状態 になります。
ビジュアルメモリには、下記の動作モードが存在します。
接続状態 | モードボタン アイコン表示 |
状態 | 動作モード |
Dreamcastへ接続 | ゲーム ファイル 時計 |
常に消灯 | システムモード |
警告 | 点灯 | フラッシュメモリアクセス中 | |
単体動作 | ゲーム | 点灯 | アプリケーション実行中 |
ファイル | 点灯 | ファイル操作 | |
時計 | 点灯 | 時計表示 | |
警告 | 点灯 | フラッシュメモリアクセス中 |
縦8ドット×横6ドットのアルファベット、カタカナ、数字、記号(ANK)フォントを搭載しています。ただし、ANKフォントはシステム専用で、Dreamcast接続中または単体動作にかかわらずアプリケーションからは利用できません。
文字表示を行う場合は、文字のイメージをXRAMに転送してください。
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(C)SEGA ENTERPRISES, LTD., 1999