第1章 GD-ROMの基礎知識 |
1-1 GD-ROMの概念 |
GD-ROMを作成する前に、まずはGD-ROMの基本的な構造について説明します。
Dreamcastではゲームの配布媒体として、「GD-ROM」というメディアを使用します。このメディアは今までの「CD-ROM」に似ていますが、記録可能な容量が大きく異なります。CD-ROMでは約640Mバイトのデータを記録可能ですが、GD-ROMは約1Gバイト記録することができます。このため、1Gバイトの容量から“Giga byte Disk”、略してGDと呼びます。
1Gバイトの記録容量にはどのようなメリットがあるのでしょうか。例えばSaturn用のゲーム『サクラ大戦』ではCD-ROMは2枚組みでした。この『サクラ大戦』をDreamcastで作成するとなると、Dreamcastでは本体の映像・音声の品質が格段に向上しているために、今までのようにCD-ROMを配布媒体として使用すると、さらにCD-ROMの枚数が増えてしまいます。しかし、大容量のGD-ROMを使用することによってゲームをメディア1枚に収録することができ、ユーザーがゲーム中にディスクを取り替えずに済む、メディアの枚数が少なくて済むなどといった利点があります。
本書では、CD-ROMの名称表記に習って、GD-ROMを読み込み可能なドライブのことを「GD-ROMドライブ」、1度だけ書き込み可能なGDメディアのことを「GD-R」、GD-Rに書き込み可能なドライブを「GD-Rライター」と呼ぶことにします。
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