D-4 電池寿命の計算手順 |
最後に掲載されている「電池寿命算出チャート」を用いて、新品の電池を用いた場合の電池寿命を計算する手順を解説します。
ビジュアルメモリで使用するリチウム電池(CR2032)は、210mAhの容量を持っています。このうち82%の174mAhがビジュアルメモリで利用できます。
計算を行なう前に、開発したアプリケーションのソースコードを準備してください。また、処理の中心となる部分をモデルプログラムとして捜し出してください。
水晶発振で動作している箇所の命令サイクルの合計を求めます。チャートの(1)に、その合計値を記入してください。
RC発振で動作している箇所の命令サイクルの合計を求めます。チャートの(2)に、その合計値を記入してください。
![]() 各命令が要する命令サイクルについては『ビジュアルメモリ プログラマーズガイド』を参照してください。 |
水晶発振,RC発振で1/12分周(OCR7=0)で動作している時間と、1/6分周(OCR7=1)で動作している時間を計算します。
チャートの(3)(4)にそれぞれ記入します。
水晶発振時の総時間を求めます。チャートの(3)が2つありますのでその合計値と30.5μsの積を計算し(5)に記入します。
RC発振時の総時間を求めます。チャートの(4)が2つありますのでその合計値と1μsの積を計算し(6)に記入します。
水晶発振動作時の平均消費電流を求めます。チャートの(5)と0.610mAの積を求め(7)に記入します。
RC発振動作時の平均消費電流を求めます。チャートの(6)と2.600mAの積を求め(8)に記入します。
RC発振と水晶発振の合計消費電流を求めます。チャートの((7)+(8))÷((5)+(6))を求め(9)に記入します。
有効な電池容量190mAhから電池寿命(時間)を計算します。174mAh÷(9)を求め、電池寿命(10)(単位は時間)が求められます。
安全のために10%のマージンをとります。メイン以外の処理やフラッシュメモリへの書き込み、通信時の負荷や気温による誤差などを考慮します。
(10)×0.9で、マージンをとった電池寿命(11)が求められました。
この値をマニュアルなどに記載する場合は「このソフトを連続動作させたときの電池寿命は(11)時間です。」とします。
1日のプレイ時間を決め、プレイ時間以外はスリープ状態(0.060mA)である場合の電池寿命は、次のように計算します。
プレイ時間の消費電流を計算します。(9)×1日のプレイ時間(12)(単位は時間)を計算し(13)に記入します。
1日のうちスリープ状態の消費電流を計算します。0.060mA×(24時間−(12))を計算し(14)に記入します。
1日の平均消費電流を計算します。((13)+(14))÷24を計算し(15)に記入します。
有効電池寿命を日単位で計算します。(174÷24)÷(15)を計算し(16)に記入します。
10%のマージンをとります。(16)×0.9でマージンをとった電池寿命(17)(単位は日)が計算できました。
この値をマニュアルなどに記載する場合は「このソフトを1日(12)時間プレイしたときの電池寿命は(17)日間です。」とします。
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(C)SEGA ENTERPRISES, LTD., 1999