2-4 バイナリファイルの作成方法

1ST_READ.BINはバイナリファイルでなければならないと説明しましたが、通常のDreamcast用プログラムの開発時にはELFファイルを使用します。ELFファイルには、デバッグに関する情報などが含まれており、デバッガを経由して動作できるようなフォーマットになっています。

しかしながら、実際にディスクにプログラムを焼き実行させるためには、前述のようにプログラムの実体のみを抽出し、バイナリデータにしなければいけません。

バイナリファイルを作成する一番簡単な方法は、Dreamcast SDKに含まれる「makeuser」ファイルを利用します。makeuserファイルの中を表示すると、「PROJECT_TYPE」と書かれた行が見つかります。


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#   各種設定(使用環境に合わせる)

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#   PROJECT_NAME ターゲット名.ファイル名のベースにもなる.

#   PROJECT_TYPE ターゲットタイプ.ファイル名の拡張子にもなる.

#                       elf ELFフォーマットの実行ファイルの出力.

#                       bin バイナリフォーマットの実行ファイルの出力.

#                       lib ライブラリファイルの出力

#   SECTION_NAME セクション名の定義.各セクション共通の名称になる(頭

#                にそれぞれのセクションのサフィックスが付加される)

#   DEBUG_FLG    デバグ情報の作成の有無.

#                       on  デバグ情報を作成.

#                       off デバグ情報を作成しない.

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PROJECT_NAME  = sample

PROJECT_TYPE = elf

SECTION_NAME  =

DEBUG_FLG     = on

デフォルトでは、PROJECT_TYPEの値は「elf」になっており、ビルド後にはELFファイルが生成されます。この値を「bin」に変更すると、バイナリファイルを生成することができます。

makeuserファイルを変更した後に再度アプリケーションをビルドし直せば、バイナリファイルができ上がります。

別の方法として、ELF2BINというコンバータを使用するという方法があります。 ELF2BINは、ELFファイルから直接バイナリファイルを作成するというものです。

ELF2BINを使用する場合には、-sオプションを用いてスタートアドレスの指定を 8c010000 にて実行して下さい。例えば、“SAMPLE.ELF”というELFファイルからバイナリファイルの“1ST_READ.BIN”に変換するには、コマンドプロンプトから次のように入力します。


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