1-6 実行ファイルの起動 |
Dreamcastまたは通常のコンピュータから、アプリケーションの実行ファイルを転送し、その実行ファイルをビジュアルメモリ単体で動作できる機能です。
1つのビジュアルメモリには、1つの実行ファイルのみを転送できます。したがって、同時に実行できるアプリケーションも1つのみとなります。
アプリケーション用に公開されているOSプログラムがいくつかあり、これらを利用することが可能です。
ビジュアルメモリ用アプリケーションの開発は、MS-DOS(汎用)のアセンブラ、リンカを用います。 リンカによって生成された実行ファイルは、E2H86K.EXEでビジュアルメモリ用の実行ファイルに変換します。
ビジュアルメモリ用の実行ファイルは、Windows95以上で実行可能な「ビジュアルメモリシミュレータ」でデバックできます。 この「ビジュアルメモリシミュレータ」は、ビジュアルメモリのハードウェアをすべてソフトウェアでエミュレーションします。詳細については『ビジュアルメモリ シミュレータマニュアル』を参照してください。
実行ファイルは、フラッシュメモリのブロック番号00H〜7FHに格納されます。また、実行ファイルの先頭は、ブロック番号00Hから順番に格納されます。
Dreamcastまたはコンピュータからビジュアルメモリにアプリケーションを転送する場合、ブロック番号00Hから連続した空き領域を確保(デフラグ)してから転送を開始してください。
空き容量がアプリケーションより少なかったり、連続した空き領域を確保できない場合は転送できません。
転送には、Ninjaライブラリや転送ユーティリティを利用してください。空き領域のチェックやデフラグが自動的に行なわれます。
実行ファイルのサイズは、64Kバイトまでです。 実行ファイルのサイズがこれ以上の場合は、ビジュアルメモリに転送することはできません。
プログラム実行中にフラッシュメモリをアロケート することはできません。フラッシュメモリ中にデータ領域を確保する場合は、あらかじめ実行ファイル中にその領域を確保する必要があります。
![]() 実行ファイルには、OSプログラムの呼び出しや、割り込みベクトルが記述された「プログラムヘッダ領域」が含まれます。SDKに添付の“GHEAD.ASM”では、0000H−01FFHまでがプログラムヘッダ領域として確保されています。 |
アプリケーションから利用できるOSプログラムの一覧です。
OSプログラムを呼び出すと、ワークエリアとして使用されるRAMがあります。
| : | 電池容量が少なくなった場合、自動的にその旨を警告するかどうかを指定できます。 |
| : | ビジュアルメモリ内蔵の時計から日時を読み出します。 |
| : | フラッシュメモリにブロック単位でデータを書き込みます。 |
| : | フラッシュメモリからブロック単位でデータを読み込みます。 |
| : | フラッシュメモリに書き込んだ内容の整合性をチェックします。 |
アプリケーションが利用できるRAMは、次のとおりです。
RAM | : | 00H〜0FFH(バンク1) |
RAMのバンク0は、システム専用なのでスタック領域を除いてアプリケーションからの利用はできません。 | ||
作業用RAM | : | 00H〜1FFH(アドレス指定して1バイト単位で読み書きします) |
XRAM | : | バンク0,バンク1 |
ビジュアルメモリ用アプリケーションの途中経過やパラメータなどを保存したい場合は、その実行ファイル内にデータ領域を確保してください。実行ファイルは、フラッシュメモリに読み込まれますので、データ領域もフラッシュメモリに確保されます。Dreamcastの保存データと同形式のファイルを作成することはできません。
Dreamcast用アプリケーションとリンクして、ビジュアルメモリで保存したデータを利用する場合は、ビジュアルメモリ用アプリケーション自身を読み込み、データが保存されているアドレスを参照するように設計してください。
▽ ビジュアルメモリとDreamcastのセーブデータをリンクする(図11)
2分間にわたりボタン操作や通信が行なわれない場合は、自動的にスリープ状態になる「オートパワーオフ機能」が組み込まれています。スリープ状態のビジュアルメモリについては「1.10 スリープ機能」を参照してください。
なお、ゲームモード中はオートパワーオフしません。アプリケーションで独自にスリープ状態にしてください。詳しくは「5.3 スリープ機能」を参照してください。
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